駐車場の契約

 建物に関係なく駐車場だけの賃貸借契約は借地借家法の適用はありません。借地借家法は建物所有を目的とするもので借地人の保護が図られています。

 また、管理事務所などを置いたとしても、当該建物は従たる設備に過ぎませんので借地借家法は適用されません。ただし、店舗とこれに要する駐車場を共に借地としますと、一体として使用されていると認められ借地借家法が適用されるという点に注意が必要です。

 そして、借地借家法が適用されないとなりますと、駐車場賃貸借の賃借人は基本的に弱い立場となります。

 なぜなら、借地借家法が適用されないため、解約申入れに正当事由は必要なく、賃貸人は契約の内容や民法の規定に従って解約申入れを行うことができます。

 また、短い期間の契約期間とした場合、借地借家法では一般の借地で30年より短い期間にできないのに対して、民法上の賃貸借では制限がないため、借主にとっては不利となります。

 民法上の賃貸借によるため、契約によって3カ月前の予告をもって解約できるといった途中解約の特約を定めているケースが多いです。

 なお、都市計画区域内で500㎡以上の規模により駐車料金を徴収する場合、都道府県知事へ届出が必要になります。

 賃貸借契約というのは、貸す人と借りる人との約束によって成立します。そして、建物所有を目的としますとかなりのお金をかけるため、5年や10年で終わりというのは不合理であり借りる人を保護するため借地借家法という法律で規制されています。

訪問販売によるトラブル

 高齢者の消費者トラブルでは訪問販売による被害も多いとされています。

 訪問販売とは、「営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所以外の場所で行われる取引」と「特定顧客」との取引をいいます。

 店舗以外の場所での販売で、自宅への訪問や押し売りがあり、また「特定顧客」に該当すれば訪問販売に該当します。特定顧客との取引とは、販売目的を隠して近づいてきて別の場所へ案内し契約させるパターンです。キャッチセールスやアポイントメントセールスがあります。

 かつては、訪問販売や通信販売、電話勧誘販売では商品、役務、権利は政令で指定したものに限られていましたが、現在では訪問販売において全ての商品、役務が規制対象となるのが原則です。

 ただし、「権利」については、訪問販売の対象になるのは「特定権利」に限定されます。

 保養施設、スポーツ施設を利用する会員権や映画、演劇など鑑賞する権利(チケット)などや社債その他の金銭債権、株式などが挙げられます。

 訪問販売によりトラブルに巻き込まれたとしてもクーリングオフを行使することで申込みの撤回または契約の解除をすることが可能です。

 訪問販売の場合、クーリングオフすることができる期間は、申込書面や契約書面といった法定書面を受け取って8日間ですので、法定書面の交付がなければ起算日が開始しないこととなります。

 また、法定書面が交付されたとしても、その内容を確認してみると販売業者の氏名が記載されていなかったり、商品名の記載が無かったりなど不備が見つかることがあります。

 法定書面の記載事項に不備があれば、クーリングオフの起算日が開始しないので、8日が経過していたとしてもクーリングオフの可能な場合がありますのでよく確認してみることが必要です。

 特定商取引法では、訪問販売、電話勧誘販売により通常必要とされる分量を著しく超える商品の購入をした場合、売買契約を解除できると定められています。

 これは過量販売解除権といいクーリングオフの行使期間が経過していたとしても契約締結日から1年以内に契約の解除ができます。

 事業者が過量であることを認識していたことが必要ですが、1回の取引で過量になる場合は主観的要件は不要です。

塀の共有(境界関係)

隣地の建物と自身の所有地の建物との間に堀が無ければ、費用を半分ずつ負担するよう請求はできます。ただし、半分ずつの負担とするには相手と協議して協力してもらう必要があり、協力してくれないのであれば、裁判所に訴訟を提起しなければ費用を負担してもらうのも困難と思われます。

 また、隣家の承諾がなければ、原則として高さ2メートル以内の板堀か竹垣とするとされています。

 高さ2メートルを超えてアルミフェンスやブロック堀を設置する場合、増額した分は建築した者が負担しなければならないとされています。

 もし、相手方の協力が難しいのであれば、自己所有の敷地内に自己負担にて塀を設置することはできます。

 この場合、隣家の日照、通風、眺望を著しく阻害しないよう気を付ける必要があります。