受任通知

貸金業者は,弁護士や簡裁訴訟代理等の認定を持っている司法書士から,債務整理における受任通知を受け取った場合,受任通知の取立禁止効から,以後は当該債務者に対して直接取立てをすると貸金業法21条1項9号違反となります。
なお,受任通知を送付し,手続きに介入することで,信用情報機関に報告,登録がなされることになります。ただし、既に延滞状態であれば信用情報には登録されているということになります。
債務整理を受任した当初は,債務者の債務がいくらあるのかといったことが分らなければ,債務整理の方針は決定できませんので,受任段階では裁判所への提出書類作成業務になるのか簡裁訴訟代理等関係業務を受任することになるのか判然としません。
認定司法書士は,司法書士法第3条1項の6号,7号に規定されている業務も行うことができますので,その旨を受任通知には記載しておきます。そして,債務の総額がはっきりと明らかになれば,裁判所提出書類作成業務で進めていくのか,簡裁訴訟代理等関係業務で進めていくのかが判然とします。
では,受任通知を出すことは債務の承認に該当するのでしょうか。受任通知には,債務整理を開始する旨を記載するため,債務を認めているようにもみえます。そこで,受任通知には債務承認ではないと記載されているのが一般的です。
ですが,受任通知を送ることで取引履歴開示請求を併せて行うため,実際に請求されている債権が存在するのかを調査することも目的の一つとされているため,債務整理を開始すると通知したからといって債務の承認をしたことにはならないとされています。