代理権限証書

代理権限証書は、司法書士などの代理人に登記の申請を依頼する場合,その代理人に代理権があることを証明する書類です。具体的には委任状です。
そして,代理人には,任意代理人,法定代理人,復代理人があります。任意代理人とは,専門家に依頼する場合です。民法上は,一人の代理人が契約当事者双方の代理人となることはできないとされていますが,登記申請の場合,実体上の権利関係が生じるというものではなく,すでにある権利関係を手続上行うものであるため,登記申請は当事者双方を代理してできるとされています。
法定代理人とは,例えば未成年者であれば親権者であったり,成年被後見人であれば,成年後見人であったりと,法律の規定によって代理権を与えられている人です。親権者であれば,戸籍謄抄本等が代理権限証書となります。代理権限証書としての戸籍謄本は,役所が作成するものとして作成後3カ月以内の有効期限があります。
もし,特別代理人の選任が必要なケースであれば,特別代理人選任審判書が必要となりますが,これも市町村長,登記官その他の公務員が職務上作成したもので作成後3カ月以内の有効期限があります。
復代理人については,委任による代理人の規定から,本人の許諾を得た時,またはやむを得ない事由があるときでなければ選任できないため,復代理人の選任に関する件と記載が必要です。
そして,委任状には,最低限記載すべきものとして,年月日,委任者,受任者,委任内容,不動産の表示などが必要です。ただし,登記原因証明情報を援用して委任の範囲を明確にできる場合には,一部を省略することができます(昭和39年8月24日民甲第2864号)。
オンライン申請をする場合には,登記識別情報を知ることを許された代理人が登記識別情報の提供を許すときは,その暗号化に関する権限の委任を受けるため,登記識別情報の暗号化に関する件の記載が必要です。
もし,登記識別情報をオンラインにて受領するなら,登記識別情報の復号に関する一切の件と記載が必要です。
仮に,登記完了後に通知される登記識別情報を代理人が受領するには,特別の委任が必要で,登記識別情報の受領に関する一切の件との記載が必要となります。

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