生前に相続対策として負担付贈与が行われることがあります。
財産をもらう側に一定の債務を負担させることを条件にした贈与です。負担付贈与は通常の贈与と違い,贈与した者は負担の限度において売主と同様の担保責任を負うようになります。
負担付贈与は,贈与者が100万円の中古車を贈与する代わりに受贈者が50万円の債務を負担するということです。
例えば,土地の時価3000万円の土地を贈与してもらう代わりに,贈与者の債務2000万円を負担するとなると,1000万円から基礎控除110万円を引いた財産額に対して課税されるということなります。
注意点としては,不動産の贈与である場合,通常の評価は路線価など相続税評価額となるのに対して,負担付贈与の場合,時価で評価されますので場合によっては思ったより贈与税がかかってくる可能性があります。
また,贈与した側についても所得税がかかることがあります。贈与した側も利益を得ていれば譲渡所得等の課税関係が発生します。
負担の額よりもその財産の取得価額の方が低いと,その差額について譲渡所得税がかかってきます。
例えば,上の例で考えますと,30年前に取得した時は1900万円の土地だったという場合,2000万円から1900万円の取得価額を引いて100万円を得したことになりますので,所得税の課税がなされます。
負担付贈与の場合,思わぬ課税が発生することもありますので,税理士など専門家に相談した方がいいです。