宗教法人概要

宗教法人は大小さまざまなものがありまして,宗教法人法の規定によって法人格をもった宗教団体のことをいいます。
ところで,日本における宗教団体としては,神道系では神社神道系,教派神道系,新教派系とあり,仏教系には天台系,真言系,浄土系,禅系,日蓮系,奈良仏教系,その他とあって,キリスト教系には旧教,新教など22万を超す団体があるといわれています。
宗教法人法1条では,宗教団体が礼拝の施設その他の財産を所有し,これを維持運用し,その他その目的達成のため業務及び事業を運営することに資するため,宗教団体に法律上の能力を与えることがその目的とされています。
宗教法人となるためには礼拝施設が必要で,境内建物には本殿,拝殿,本堂や会堂,僧堂,僧院,信者修業所,社務所などで,境内地としては,境内建物が存する一画の土地,参道として用いられる土地,宗教上の儀式行事を行うために用いられている土地などがあります。
なお,宗教法人を設立したり,規則を変更したり,合併,解散をするには所轄庁の認証が必要となります。
宗教法人の所轄庁には,主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事,または次に掲げる宗教法人については文部科学大臣となっており,これには①他の都道府県に境内建物を備えるか,①以外の宗教法人で①の宗教法人を包括するもの,これら以外で他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人となっています(宗教法人法5条)。
宗教法人の機関としては,必ず3人以上の責任役員を置き,そのうちの一人を代表役員とします。責任役員の選任に関する規定はないため,各自宗教法人の規則によって選任がなされます。規則に別段の定めがなければ,宗教法人の事務は責任役員の定数の過半数で決し,その責任役員の議決権は各々平等となっています。
宗教法人には,代表役員や責任役員が欠けた場合や病気などで長期間職務を行えない場合に,その代行機関として代務者が設置されます。代務者は,規則で定めるところにより,代表役員又は責任役員に代わってその職務を行います。
他に任意機関を置くことができ,氏子総会や檀徒総会等の信者の総会,総代会,宗議会など規則にて定められます。
このように,宗教法人の機関としても株式会社や持分会社とは異なった構成となっています。

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