相続債権者及び受遺者への請求申出の公告・催告(相続財産管理人)

 相続財産管理人選任公告の官報掲載日から2カ月を経過しても相続人が現れない場合、管理人は遅滞なく、全ての相続債権者及び受遺者に対し、請求申出の公告をしなければなりません。

 また、知れている債権者に対しては各別に催告をしなければなりません。

 相続財産管理人の選任公告をして、2カ月経過しても相続人が現れないのであれば、このように相続債権者や受遺者に対して手続きを行う必要があります。

 相続財産管理人の選任公告は家庭裁判所にて行われますが、この相続債権者及び受遺者への請求申出の公告、催告は相続財産管理人が行います。

 まず、選任公告が行われますと、官報販売所より官報公告掲載のご案内と選任公告の写しが届き、これに公告掲載日が記載されていることがありますので参考に掲載依頼を行います。

 官報販売所との間で具体的にいつ掲載するかの打ち合わせを行い、申込書に必要事項を記載して提出します。官報公告費用は相続財産から支出するか、後から精算を行います。

 なお、請求申出の公告で定めた2カ月以上の期間内に請求の申出をしなかった相続債権者及び受遺者は、弁済から除斥されてしまいます。

 そして、期間内に請求の申出をしなかった相続債権者及び受遺者が権利行使できるのは残余財産についてのみとなります。ただし、知れている相続債権者及び受遺者は除斥されません。

 知れている相続債権者及び受遺者に対しては、各別に催告をしますが、口頭でもよいと考えられています。

 もし、請求申出の公告をすることを怠ったため相続債権者及び受遺者に損害を与えたとき、相続財産管理人は損害賠償の責任を負うことになりますので注意が必要です。