相続債権者及び受遺者への弁済

 相続財産管理人は、相続債権者及び受遺者に対して相続財産によって弁済をしていくなど清算行為を行います。

 弁済をするにあたって、財産的価値のある財産を売却等の処分を行い、換価するには裁判所の権限外行為許可を受ける必要があります。

 もし、債務超過となるのであれば、弁済の順序に従い、処理していきます。相続財産管理人が、請求申出の公告を行い、その期間満了後、次の順番で相続債権者及び受遺者に対して弁済を行うよう定められています。

 相続債権者及び受遺者に対する弁済は、公告期間満了後の弁済する順番としては以下の通りです。

 ◆ 第1順位 優先権を有する債権者(抵当権者等)

 ◆ 第2順位 請求申出期間内に請求申出をした相続債権者、その他知れたる相続債権者

 ◆ 第3順位 請求申出期間内に請求申出をした受遺者、その他知れたる受遺者

 ◆ 第4順位 請求申出期間内に請求申出をしない、知らなかったために排除したが、相続人捜索の公告期間内に請求申出をした相続債権者、受遺者

  請求の届出をすべきとした公告期間満了前には、相続債権者および受遺者に対して弁済を拒むことができますが、優先権のある相続債権者は、公告期間満了前においても弁済を受けることができるとされています。

 優先権のある債権者とは、先取特権、質権、抵当権を有する者です。留置権者は事実上は優先弁済を受けることができることから、優先権のある相続債権者と同視することができます。