相続財産管理人とは、身寄りがなく相続人がいない場合や相続人が全員相続放棄をして相続人がいなくなってしまった場合などに遺産を管理、精算する人をいいます。
被相続人にもし、相続人がいない場合、相続財産はこれを引き継ぐ者がいないまま宙に浮いた状態となります。
相続人が不存在の場合、家庭裁判所が利害関係人又は検察官の申立てによって相続財産管理人を選任し、相続人を捜索しながら、相続財産を管理、清算し、相続人がいないということが確定した場合、相続財産の全部または一部を特別縁故者へ分与し、残余財産があれば国庫へ引き継ぎます。
もし、相続人がいなくても遺言によって遺産の全部を包括遺贈されている場合、相続人のあることが明らかでないときに該当しませんので、相続財産管理人は選任できないことになります。
戸籍上、相続人が存在して、行方が不明であったり生死が不明であるという場合は相続人不存在ではなく、不在者財産管理人の選任申立てか失踪宣告の手続きを検討します。
相続財産管理人選任申立
相続財産管理人を選任する場合、まず家庭裁判所に申立てが必要となります。
相続財産管理人の選任についての申立人は、利害関係人または検察官とされています。利害関係人とは、例えば相続債権者、特定受遺者、特別縁故者、相続財産上の担保権者、成年後見人、相続財産の共有持分権者などが挙げられます。
相続財産管理人選任申立てに必要な書類
相続財産管理人選任申立書
添付書類として、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本など
被相続人の住民票除票又は戸籍附票
財産を証する資料として不動産登記事項証明書、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類、自動車については車検証の写し。
利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料
申し立て先
相続財産管理人選任申立ては、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。